今回のオペラは未来小説、いわゆるSFです。
現代は皆が携帯端末を使う時代であり、本作はその「一歩先」を描いたものです。
そう考えて頂ければ、SFが苦手な人にも楽しんで頂けると思いますし、
SF好きの方には、様々なマニアックな台詞を楽しんで頂けると思います。

タイトルの『オムニペトラ』は、ある有名な戯曲タイトルのアナグラムです。
（正確に言えば、アナグラム生成の過程で「DNA塩基配列の2つが変異を起こした形」なのですが...)

「オムニペトラ」という人工知能に組み込まれた特殊デバイスが、芸術の新たな可能性を切り開くという設定であり、これは一種の未来予想図です。その未来が明るいものか、暗いものか...。

オペラというジャンルに於ける新たな冒険を青いサカナ団は続けています。
今回は未来小説ですが、ビターでスイートな古典的な恋愛物語でもあります。
本作を作る際に最も意識したのは、シェイクスピアから綿々と創り続けられる
「詩(し)」と「物語」が編み出す叙情的な「詩(うた)」の世界です。
その様な見方で、この未来予想図をお楽しみ頂ければ嬉しい限りです。