「あうるすぽっと」のこけら落としでは、万蔵さんのお父様・萬さんに『三番叟』を舞っていただきました。今回は「あうるすぽっと」の2周年記念で、狂言の伝統にのっとった正統な『三番叟』と、近藤さんオリジナルのコンテンポラリーダンス流に解釈した『三番叟』、二作品連続上演することになりましたが、最初に企画を聞かれたときはどう思われましたか?
野村:正直言えば驚きました。『三番叟』は狂言の中でも特別な、狂言そのものよりも古い歴史を持つ作品なんです。一演目ではなく、神に捧げる神事ですから、一番大切にしていると言っても過言ではありません。歌舞伎舞踊としての『三番叟』はありますが、現代のダンスで、しかもお囃子は古典そのままを使うとは……非常に面白いけれど可能なのか、やって良いものかと思いました。
近藤:僕も最初に聞いたときはとても驚きましたし、「そんなことして捕まったりしないか?」と思ったくらいで(笑)。
野村:いや、企画を立てたプロデューサーは怖いもの知らずの方ですよね(笑)。 |