では、日本古来の「盆踊り」に近いものになりそうなんですね。
具体的なことは、まだこれからだけれど、ちょっと調べてみて思ったのは、あのぐるりと輪になって踊ることがとても面白いと思ったんです。「円」はどこにも正面がなく、始まりも終わりもないんですよね、当たり前だけど。そこには一種の美学があると思うんです。切れ目がないものだから2時間、3時間と延々踊れるるし、人の出入りも自由で大きくも小さくもれなる。あとはテンポの遅さとかも面白いし、きっと誰でも入れるようにという配慮なんでしょう。
そういう構造をどう使うかはこれから考えるところだけれど、「3歩進んで2歩下がる」みたい波のようにファジーなテンポで、人の背中を見ながらぐるぐる踊るのは、きっと日本人に合うリズムだからだと思う。そういう盆踊り本来の心地よさは生かした踊りにしたいですね。
コンドルズの公演には、踊り以外にも演奏や人形劇など多彩な要素が入っていますが、今回もそういうことはあるのでしょうか?
まだ分からないけれど、盆踊りには歌のパートや太鼓なども入っていますから、踊りを盛り上げる他の要素が入ることは、僕もいいなと思います。最近僕、ダンスに限らず、何だか色々な体操を作る機会を頂いているんですね(笑)。NHKの『サラリーマンNEO』が、きっと皆さんは一番よくご存知かも知れないですけれど。あれもはちろん体操だけれど、「体を動かす」「健康を考える」ということに、「遊び心を加える」ということを受け入れていもらえたのが僕はすごくうれしかったんです。ダンスはもちろん、せっかく体を動かすのだから皆でやるときは楽しいほうがいいに決まっている。そういう流れや関心が生まれたのはとても良いことだし、今回のあうるすぽっとでの踊りにも、そんな「遊び心」は必ず加えたいと思います。
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