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公演情報

【SOMAプロジェクト 稽古場レポート 第1回】

作家・ヤサぐれ舞踊評論家 乗越たかお(Takao NORIKOSHI)


ドイツでの稽古場の様子

――ドイツで3週間のクリエイションはどのように始まったのですか?

「初日には、すごいことが起こるだろうと予想していました。日本側とドイツ側、ともに強い個性を持った二つのグループが初めて出会う、遭遇(ENCOUNTER)ですから。
はじめは全員に大きめの白い紙を渡して、『このプロジェクトに期待すること』を書いてもらいました。どんなものがあったかというと、
・「浮遊」
・「古典でもなく前衛でもなく、今まで見たことのない新しいもの」
・「どこにいるかわからないが、確実に存在する不思議なもの」
・「対決・対立(CONFRONTATION)」
・「感染(INFECTION)」
……等々。特に『感染』は私が出したものです。この作品では『身体を通した感染』を探っていきたかったからです。
 これらの言葉を課題にして即興をやってもらいました。そのさいにミュージシャンの二人(井ノ上孝浩、宇澤とも子)の音が素晴らしく、パフォーマーの身体に与える影響はとても大きかったですね。
このときの即興はダンスも音楽も思った以上の出来で、全て採用することにしました(笑)」

 

――提出した言葉に、日本側とドイツ側とで傾向のような物はありましたか。

「言葉よりも『創作に向かうプロセスの違い』が面白かったですね。課題に対し、日本側は事前に長時間話し合い、綿密に組み立ててから取りかかりますが、ドイツ側はある程度話し合ったら、あとは動きながら考える。進め方の違いや体感するリズムの違いがとても面白かった。とはいえ、このプロジェクトで大切なのは個人個人の理解とつながりで、国民性といったことは、さほど重要ではありませんからね」

――このプロジェクトの大きな特徴が「ホームステイ」ですが、それは互いの文化を理解するためではないのですか。

「重要なのは『アーティスト同士の理解と交流を深める』ことで、ステレオタイプな『文化の交流』とはまた違うレイヤーの話なのです。そもそも今回ドイツ側のダンサーは私を含め皆フランス人ですし、国民性といった話ではない(笑)。私はドイツで活躍するフランス人で日本人の妻と共に日本で様々な経験をしましたし、それは私の身体に宿ったリアリティとして生きています。今回は、同じように参加者全ての身体(SOMA)にあるリアリティを交流させるプロジェクトなのです。もちろん進めていくうちに文化の違いは出てくるでしょうが、それが目的ではありません」

――作品について、現段階で具体的なイメージはありますか。

「現時点では、『細胞』が重要な役目を果たします。舞台上に赤い部屋を作り、部屋自体がひとつの身体(SOMA)であり、そこを通して互いに共有しあう。サーモグラフィを使って『体温を視覚化する』など様々な形で挑みます」

――それは楽しみですね。ここで話を戻して、ドイツでの標準的な一日の過ごし方を教えてください。

「だいたい朝10時からウォームアップを始め、5時まで続けるのが基本ですが、内容は毎日変わります。もちろんクリエイションだけではなくて、ドイツで様々な作品を観る機会もありました。滞在先のヴッパタールでは、ピナ・バウシュの2作品や、フォルクヴァンク学校(ピナの師であるクルト・ヨースが創立したダンス学校。のちにピナも校長をしていた)のスクール・パフォーマンスを見たり、本作の公演予定地であるデュッセルドルフのタンツハウスでもクリエイションができました」

――ではドイツでの3週間は実りあるものだったわけですね。

「もちろん! もう作品の30分ぶんのパートはできていますしね(笑)」

ドイツに滞在した日本側の参加者に感想を聞いてみた。

大窪 晶(パフォーマー)

「ドイツ側ダンサーの身体能力の高さはもちろんですが、存在自体のエネルギーがすごく、初めは圧倒されました。しかし自分にしかできないことは何か、と気持ちが高まりました。僕はファビアン夫妻の家への滞在でした。『晶のここが見たい』『ここは好きじゃない』といった指摘が毎日ありました(笑)。得ることが大きかったですね。食事は亜津咲さんが作ってくださったので、僕は皿洗いに徹しました」

宇澤とも子(ミュージシャン)

「ドイツでは、とにかくずっと音楽を作っていました。本番の為の音楽を作ろうという意識ではなく、まずは新しい音楽を生み続けようという意識で取り組んでいました。それによって可能性が広がっていくと考えたからです。同じシーンでも、音楽が異なると見えてくる情景が変わります。それを楽しみながら音楽を作っていました。パスカル(・メリーギ)の家にホームステイをしたり、タンツハウスのアパートで日本人キャストと過ごしたりしました。」


ファビアン宅でのパーティーでは、クレモンティーヌさんお手製のケーキも登場!

蘭 妖子(パフォーマー)

「私は最年長70代、アングラ演劇出身です。今回は『ジャンルも年齢も問わない』というので応募しましたが、場違いかなと思っていたんですが……ファビアンから『そのままのあなたで舞台上に存在してほしい』と優しい言葉をかけてもらいました。ファビアンの依頼で日記を付けていて、それを作品の中でも語っています。(スクリーンではドイツ語で映写予定)滞在はクレモンティーヌ(・デリュイ)の家でした。豆腐の味噌汁など、日本料理を一緒に作りました。」

井ノ上孝浩(ミュージシャン)

「リハの時には、ファビアンから止められない限り、宇澤さんと音を出し続けました。その中でファビアンから『今の音、覚えておいて』といわれたものだけでも30曲は優にあります。ドイツ滞在中に90曲ぐらいは作ってますね。僕がパスカルの家に滞在した時も、ほぼ一人だったので音楽に集中でき、週末に一緒に過ごしました」


ドイツといえば・・・!!

――ではファビアンさん、これから日本でのクリエイション&ホームステイが始まりますが、どのように進めていきますか?

「ドイツでの3週間は、いわば日本でのクリエイションの基礎作りでした。ホームステイにしても、本当に大きな効果があるのは、ドイツ側のダンサーが日本に滞在してからだと思います。もちろん彼らもピナの公演で何度も来日していますが、日本を『内側』から知る機会はこれが初めてです。私がかつて経験したように、入り組んだ東京の地下鉄を乗り継いでリハーサル・スタジオまで来るのは、ドイツ組にとって良い経験になるでしょう。暑くて蒸す日本の夏を堪能してもらいますよ(笑)」

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